日常生活を向上させる介助とは
現場で重要なのは「できる」「できない」「している」の見極め
老人保健施設の仕事
老人保健施設と聞いても、どのような施設か想像するのは介護の仕事について知識がない人には難しいことでしょう。まず、老人保健施設とは介護保険の制度上の施設のことをいいます。施設を利用できる対象者については、介護保険を利用できる者、つまり要介護認定を受けた人のみが利用できます。病院が医療保険を使い利用するように、老人保健施設は介護保険を使い利用する施設です。
では、老人保健施設とはどのような施設かというと、例えば脳梗塞のように後遺症が残る病気になったとして、病気に罹った直後は病院で治療を行うことになるのですが、病院ではある程度状態が安定してくると退院しなくてはならないのが現状です。介護してくれる同居者がいれば良いですが、一人暮らしや同居者が介助できない場合には退院しても自宅での日常生活が困難になってしまうことがあります。
そのような時に利用するのが、老人保健施設です。といっても日常のお世話をすべて行ってくれる訳ではなく、老人保健施設の目的は施設を利用しながらリハビリ等を行い自宅へ帰る事を目的とした施設です。ただ、日常生活上の必要な介助を受ける事は可能であり、家に帰るという目標を持って施設を利用します。
在宅復帰を目指すにはこれ位の距離を歩けなければならない、これ位の段差を自分で越える事ができなければばらない、といったように目標を達成する努力を要介護者は日々行います。その施設で働いている介護従事者は、要介護者の手助けを行うということが仕事になるのです。